ビザの更新申請時の「特例期間」について

今現在の在留資格(ビザ)の期限が満了する概ね3ヶ月前からビザの更新申請が可能になります。ビザの期限ギリギリで更新の申請を行い、「在留期限が過ぎる前に審査は終わるのか」と心配される方もいると思います。入管法では在留期限までにビザの更新申請が受理されれば「特例期間」が適用されることになっています。

特例期間とは

第二項の規定による申請があつた場合(三十日以下の在留期間を決定されている者から申請があつた場合を除く。)において、その申請の時に当該外国人が有する在留資格に伴う在留期間の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、当該外国人は、その在留期間の満了後も、当該処分がされる時又は従前の在留期間の満了の日から二月を経過する日が終了する時のいずれか早い時までの間は、引き続き当該在留資格をもつて本邦に在留することができる。

入管法第20条6項

ビザの更新審査中に在留期限が来てしまう場合、「許可・不許可の結果が出るまで」もしくは「在留期限の満了日から2か月間」は今のビザのまま適法に滞在することが可能になります。これを「特例期間」と言い、入管はこの2か月以内に許可可否を出すことになっています。

上記の図を例にすると、3/20にビザの更新申請をし、3/31を過ぎてもまだ許可不許可の結果が出ない場合、「結果が出た4/15もしくは在留期限の2か月後である5/20まで」は今のビザのまま適法に滞在することができます。もし結果がでないまま5/20を過ぎてしまうとオーバーステイとなってしまいます。

特例期間中の就労について

特例期間中については、今現在のビザのステータスのままで日本に滞在することができるので、就労可能のビザであれば特例期間中でも従前の就労は可能です。また、留学ビザの人のアルバイト(資格外活動許可)も有効なので、特例期間中のアルバイトもできます。

また、ビザの変更申請も特例期間が適用されますが、留学ビザから就労ビザなどへの変更の場合、すでに学校を卒業しているのであればアルバイトはできませんので注意が必要です。

特例期間が適用されない場合

特例期間が適用されるには「31日以上のビザ」を持っている必要があります。したがって、30日以下のビザ(短期滞在など)は特例期間の適用を受けることはできず、変更申請や更新申請が受理されたとしても、在留期限までに結果がでないとオーバーステイとなり不法滞在扱いになってしまいます。

不許可になってしまった場合

審査結果が「許可」の場合は問題ありませんが、もし「不許可」の場合はどうなるでしょうか。

不許可になってしまった場合は、「特定活動」というビザが付与され、出国準備のための30日または31の在留期間が与えられます。また、不許可の場合、1度だけ不許可になった理由を聞くことができ、その不許可理由を対処できるのであれば、この出国準備中に再申請することも可能です。

ただし、31日の出国準備の場合は再申請が受理されれば特例期間が適用されますが、30日の出国準備の場合は再申請しても特例期間の適用は受けれず、帰国しなければならない可能性は高いです。

永住申請には特例期間がない

注意しておく点として、永住ビザへ変更申請する際は特例期間の適用がありません。つまり、永住許可申請中に今現在のビザの在留期限が過ぎてしまうとオーバーステイとなってしまいます。永住許可申請の審査は長く、半年ほどかかるケースが多いので、今現在のビザの在留期限を把握しておき、期限が近付いてきたら更新申請を忘れないようにしてください。